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Around Singers The Final”結(musubu)”を聴いて [感想とご紹介]

このコンサートは

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プログラム表紙

 北村協一先生が指揮をなさった演奏会は数々あっても、実を言うと、私がAround Singersのコンサートを聴いたのは1996年の第3回だけである。あるご縁で、先生が指揮する演奏会を続けて聴くようになり、先生のお住まいに招かれたこともあった(先生ご自身が淹れてくださった美味しいコーヒーを思い出す)。そして、関学グリーの定演で、先生の最後の指揮となった多田武彦作曲「雨」を聴いた時の感動は忘れられない。
 そんな思い出があるところにこの演奏会のご案内をいただいた。

演奏曲目
 コンサートは2017年2月5日、第一生命ホールで開催された。

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ステージ紹介

第1ステージ:「アイヌのウポポ」-は、聴き応えがあった。練習中に「ヘハンネ」の飛び出しをしたら、「前に置く『貯金箱』に罰金を入れること」と北村先生がおっしゃった、と後でステージで話が出たが、「貯金箱」は必要が無かった。
第2ステージ:「系譜」と称し、これまで歌った曲の中から8曲を、北村先生の薫陶を受けた7人の指揮者が振った。この演奏会を通して、「上を向いて歩こう」の時だけ、歌い手の表情が緩んだ。ということは、他の曲を歌う時は実に生真面目な姿勢と表情で歌っていた。
第3ステージ:「わがふるき日のうた」は、久しぶりに聴いた多田節は実に心地良かった。

気になったこと
 「わがふるき日のうた」は、歌ったことは無いが、三好達治の詩は多少は記憶にあった。ところが、である。演奏を聴いていて、歌詞がさっぱり聴き取れないのだ。私の周りの人たちは、プログラムに印刷されている歌詞を一生懸命追いながら聴いている。その紙の音がうるさくてたまらなかった。
 帰途、電車の中で読んでみて、何故歌詞が聴き取れないのかが分かった。

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歌詞の頁

 中でも独り笑いしたのは「みみず」「みみず」と何度も聴こえたのは「みみずく」だった。
 言葉を聴き取れず、意味が分からなかったのはほぼ全体にわたるが、若干の例を挙げれば、「蝶のやうなわたしの郷愁」(V)、「つねならぬ鐘鳴りいでぬ」(VI)、「鶏鳴か五暁かしらず」(VI)など、文字を読んでも意味がすぐには分からない。まして、合唱演奏に漢字は無い。
 合唱演奏で歌詞が聴き取れないという問題は、演奏した合唱団の責任では無い。合唱作品にこのような詩を選ぶこと自体が問題なのではなかろうか。(合唱演奏で歌詞を聴き取れないのはよくあることなので、メロディとハーモニーを楽しむのが日本的な合唱の鑑賞法だと、私は半分は諦めている。)
(終) 
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