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続・三木レクについて [感想とご紹介]

三木レクの演奏会が近くある
 稲門グリークラブが三木稔作曲「レクイエム」を歌う演奏会を今年9月22日(日)にサントリーホール大ホールで開催することを知った。男声合唱で、指揮の小林研一郎が(新たに第三楽章が追加される前の)旧版にこだわっていると聞いて、これは素晴らしい、是非聴きたいものだと思った。ところが詳しく調べてみると、伴奏がピアノと知って、何故?と疑問がわいた。
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演奏会ポスター(稲門グリークラブのHPより)

ピアノ伴奏もあり?
 そもそも三木稔が「レクイエム」を作曲した時点では、Fl、Ob、2Cl、Bsn、4Hr、3Trb、Tub、3Perc、3~6Cbというブラス中心のオーケストラの伴奏で、リズム感のある打楽器伴奏と管楽器によるメロディックな伴奏とが効果的に使われていた。そして、これらが抜群の演奏効果をもたらす。昔、「三木稔の音楽」という演奏会で、同じコバケンの指揮、同じサントリーホールで演奏した「レクイエム」をCDで聴いたが、それは素晴らしい演奏だった。
 まあ、これだけのオケを揃えるのは経費の点で大変と考えたのか、三木さんはピアノ伴奏譜も用意していて、それが市販されている楽譜である。しかし、ピアノの伴奏譜に元の楽器の名前が指示されていて、一見するとまるで練習用の楽譜に見える。
 さらに、混声の楽譜の「まえがき」に三木さんは「電子オルガンが望ましい」と書いている。これは、打楽器のピアノではロングトーンを出せないからだろう。

北村先生はどうしたか?
 2005年の東西四連の合同演奏で三木レクの指揮を依頼された北村協一は、(北村先生から演奏会後にじかに聞いたのだが)ピアノ伴奏だけではロングトーンを出せないことを残念に思ったのでエレクトーンを加え、さらに、リズム感を出すためにパーカッションを使うことを強く主張した。費用などの観点から(噂によれば)内部では少々もめたらしいが、認められなければ指揮しないという北村さんには勝てなかった、と聞いている。おかげで、オケを使用したときとほぼ同様の演奏効果を実現し、素晴らしい演奏を聴かせてくれた。(全員暗譜で歌ったのはお見事!)

ところで、レクイエムの泣かせどころはどこ?
 レクイエムの泣かせどころは、歌ってどこ、間奏を聴いてどこ、といろいろある。まして、間奏や伴奏で、ピアノ伴奏で良い効果が出せない箇所はいたるところにあるので特に「どこ」とは言えない。そんな中でも、三木レクを歌ったことのある合唱人が、間奏の最高の泣かせどころとして衆目(耳)の一致するだろうところは、(旧)第三楽章の「どうやら道の半分は来た」と歌った後の間奏だろう。(三木さんはその後、男声の楽譜にソプラノ・ソロ入りの第三楽章を追加したので、新しい楽譜では第四楽章になっている。)
 間奏のこの箇所がそれらしく聴こえないと、三木レクの大きな聴きどころが無くなってしまうと言っても過言ではなかろう。
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